バカと天才は紙一重
自分の能力を上手く活かして成功した事例には、どんなものがあるのか考えていきたいと思います。
たとえば、メジャーリーグで活躍しているダルビッシュ有投手です。
かれこれ10年以上、メジャーリーグで活躍し、22年には10年ぶりに16勝をマークしました。
では、彼はどういった能力が優れているのでしょうか?
まず、粗大運動能力です。
体格にも恵まれています。
そして、特筆すべき能力は、手先の巧緻性です。
ダルビッシュ投手は球が速いのはもちろんですが、多彩な変化球を使い分けることができます。
指先の微妙な感覚で、いろいろ球を投げ分けるのです。
彼は生まれ持った手先の巧緻性を伸ばしたので、現在のように多彩な変化球を投げられるようになったのです。
しかし、ダルビッシュが野球の投手ではなく、 別のスポーツをやっていたとしたらどうでしょうか。
たとえば、卓球の選手だったとします。
卓球のラケットを握るのには、指先の微妙な感覚はあまり必要とされないので、優れた能力を活かしきれなかったかもしれません。
あるいは、高い身長を活かして、バスケットボールの選手になったとしたらどうでしょうか。 バスケットボールのシュートやパスは、指先を微妙に使い分ける変化球とは違うので、類まれな能力を活かすことはできなかっただろうと予想されます。
では、ダルビッシュ投手がサッカー選手だったらどうでしょうか。
サッカーでは手先をほとんど使わないので、 巧緻性は全く活かされません。
元々パワーがあるので、すごいシュートをすることはできたかもしれませんが、 突出した成果を出すことはなかったと容易に予想がつきます。
このように、天才と 言われている人は、元々優れた能力をさらに伸ばすことで天才になれるのです。
しかし、その逆の パターンをしてしまい、バカと言われる人もたくさんいます。
これが、バカと天才は紙一重と言われる理由です。
天才と呼ばれる人は、決して全ての能力が優れているわけではありません。
ある特定の分野に優れた能力があって、それを伸ばせた人が 天才になれるのです。
ですから、「自分には能力がない」と思っている人は、才能に気づいていないだけなのです。