占い
プリンスを聴きながら書いています。プロフィールに占いが趣味とする方を多く見ます。反感覚悟で書きます。人は誰しも未来を知りたいと願い、幸福を得たいと望みますが、そのもっとも手近にある方法が占いであるといえます。しかしながら占いで将来を見極め、幸福な家庭を築き上げた人がどれほどいたでしょうか。努力なしに望みをかなえようとしたり、実力以上のものを無理に求めようとするところに、悲劇や破綻が起こるのであって、占いを信じ、安易に自分の人生を賭けてしまうことほど危険なことはありません。初めは遊び程度のつもりが次第に夢中になり、ついには占いなしでは身動きがとれなくなってしまったという例もあるように、占いを信じことによってかえって苦悩を増す結果が多く、むしろ占いには近づかないほうが賢明であろうとさえいえます。占いは、古くは易学による八卦見が有名ですが、こんにちではそのほか多くの種類があります。たとえば、現在人気のある星占いは、ロマンチックなイメージからか、特に若い女性の間ではもてはやされているようですが、その主流であるホロスコープ占星術の原点ともいうべき「テトラビブロス」の著者は、「占星術は天文学の応用で、天文学ほど確実性のあるものではけっしてない」と述べています。このように星占いは、学問的に確実性のない占星術を基礎としているのですから、極めて不完全なものなのです。星占いが広まること自体、現代社会の刹那的な風潮を反映しているといえましょう。星占いをはじめとする占いはすべて運命学が根底となって組み立てられているのですが、基本となる運命学そのものは、学問というにはほど遠く、人間の運命を本人の努力と関係なく、生まれつき定まったものとみる非現実的なものに過ぎません。したがってすべての占いは、非合理的な運命論から発しているのですから、自然科学が発達すればするほど、その欠陥が明白になってくるでしょう。